一般的に会計の資格で、税理士と公認会計士が最高峰と言えると思いますが、税理士にしても公認会計士にしても、いずれも税務や会計の仕事が業務の中心なので、実際のところ、どういう違いがあるのでしょうか。

この2つの資格の違いですが、まず資格を取得する際にそれぞれ差異があります。税理士の受験資格については、下記の要件が必要です。

  • 大学・短大・高等専門学校を卒業し、法律学及び経済学に属する科目を一科目以上取得した者
  • 大学3年次以上で、法律学及び経済学に属する科目を一定数取得した者
  • 司法試験合格者
  • 公認会計士試験短答式試験合格者(平成18年度以降の合格者に限る。)
  • 日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者

一方で、公認会計士の場合は、学歴などの制限はありません。

また、受験する場合も科目が違います。税理士の場合は、次の11科目のうち5科目を選択して合格する必要があります。また、一般の資格とは違って、一度の5科目合格する必要がありません。つまり、科目ごとに合格不合格が判定される仕組みになっています。

  • 必修科目:簿記論、財務諸表論
  • 選択必修科目:所得税法、法人税法(一科目以上選択)
  • 選択科目:相続税法、消費税法、事業税、国税徴収法、酒税法、住民法、固定資産税(但し、消費税法・酒税法と住民税・事業税はどちらか一科目のみ選択可)

公認会計士の試験科目は、

  • 必修科目:財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法
  • 選択科目:経営学、経済学、民法・統計学から一科目

試験はマークシート方式試験と論文式試験に分かれていまして、短答式試験は年二回、論文式試験は年一回行われています。短答式では一括合格を、論文式でも原則として一括合格を求められます。この点は公認会計士の試験のほうが税理士の試験と比べると条件が厳しいといえます。

では、業務の違いはと言うと、税理士は税務業務です。具体的には、税務代理業務(納税者に代わって税務申告を行う)、税務書類の作成代行、税務の相談などです。業務的には代理業が多いため、経営側に寄り添ったサービスが提供できるということもあり、取引先は個人商店や中小企業となります。

公認会計士の場合は、監査業務です。これは企業が作った会計書類が適正であるかどうかをチェックする業務です。取引先は、監査の義務しないといけないのは、資本金が5億円以上の企業か、夫妻の合計金額が200億円以上の企業になるので、主に大企業ということになります。